客先の担当者から「今度の金曜、歓迎会やりましょう」と声をかけられて、断ったら契約や評価に響くのでは、と一瞬固まったことはありませんか。私は3社目の2年半で、飲み会の案内を7回受け、5回出て2回断りました。
SESエンジニアとして5年ほど、4社の現場に入ってきましたが、客先の飲み会を断っていいのか、会費は誰が持つのか、勤怠はどうするのかを、入場時に説明された覚えはありません。今回は3社目の7回を材料に、費用・残業扱い・断り方を実体験で整理します。
この記事で分かること
- 客先の飲み会は原則断ってよいこと、ただし断り方で客先での印象が変わること
- 3社目で5回参加した会費の実額(合計23,800円、1回平均4,760円)と、自社に確認した結果
- 飲み会が残業・労働時間になるかについて、国のガイドラインと弁護士解説から言えること・言えないこと
- 私が断った2回の実際のやり取りと、1回目にやってしまった失敗
- 歓迎会・送別会・打ち上げ・二次会の断りやすさの違いと、断る前に確認すること
目次
- 客先常駐の飲み会は断っていい?3社目の7回の案内で出した結論
- 「断ってよい」と言い切れる理由と、言い切れない部分
- 客先の飲み会の会費は誰が払う?5回で23,800円の自腹と自社の回答
- 5回参加した会費の合計
- 営業に聞いたら「勤務外なので自己負担」でした
- 客先の飲み会は残業扱いになる?勤怠と労働時間の考え方
- 国のガイドラインが言っていること
- 弁護士の解説による整理
- 17:30に出た打ち上げで、迷った勤怠
- 断った2回で起きたこと:1回目の失敗と、2回目の工夫
- 1回目:「予定がありまして」で日程を動かされかけた
- 2回目:返信で先に断り、当日に個別にあいさつした
- 断った後に、契約や評価で変わったか
- 歓迎会・送別会・打ち上げ・二次会:断りやすさの違いと見分け方
- 角が立たない断り方と文面例:理由は短く、日程を動かせない形で
- 断る前に自社と客先に確認しておくこと
- まとめ
客先常駐の飲み会は断っていい?3社目の7回の案内で出した結論
結論原則、断ってかまいません。飲み会は、客先との契約で決まっている作業の範囲に入らないからです。ただし同じ現場で毎日顔を合わせる相手なので、断る理由と伝え方は選んだほうが安全です。
3社目は二次請けで、金融系のWebサイトを扱う現場でした。最初の約1年はデータ移行を担当し、移行チームに自社の人間は私1人という配置でした。後半の約1年半は保守改善で、依頼ごとに担当が割り振られました。リモートは週1〜2日あり、VPNで自宅から接続できましたが、出社日にチームの人とゆっくり話せる場は、昼休みと飲み会くらいしかありませんでした。
声をかけてきたのは、元請けのリーダーや客先のプロパー担当者です。2年半の7回を並べると、こうなります。
| 時期 | 名目 | 会費 | 私の結果 |
|---|---|---|---|
| 2023年5月 | 私の歓迎会 | 3,000円(主賓割引) | 参加 |
| 2023年9月 | 元請け社員の異動の送別会 | 4,000円 | 参加 |
| 2023年12月 | 忘年会 | 6,000円 | 不参加 |
| 2024年3月 | データ移行の本番切り替え後の打ち上げ | 5,500円 | 参加 |
| 2024年12月 | 忘年会 | 6,500円 | 参加 |
| 2025年3月 | プロパーの送別会 | 4,000円 | 不参加 |
| 2025年7月 | 新メンバー加入の顔合わせ | 4,800円 | 参加 |
7回のうち、強制だと感じた回は1回もありませんでした。ただ、断る選択肢を最初から考えていたかというと、違います。最初の歓迎会は、断れるかどうかを考えもしないまま「ありがとうございます、行きます」と答えていました。
二次会には一度も行っていません。帰宅はいつも23時前後でした。
「断ってよい」と言い切れる理由と、言い切れない部分
私が「断ってよい」と書けるのは、飲み会への参加が、自社と客先の契約に書かれた作業ではないと理解しているからです。私は契約書を見られる立場ではないので、これは3社目の運用から見た理解です。
言い切れないのは、断った結果、客先の心証がどうなるかです。私の場合、断ったあとに仕事の割り振りが変わった実感はありません。ただ、変わらなかったことを確かめる手段もありません。この限界は、先に書いておきます。
客先の飲み会の会費は誰が払う?5回で23,800円の自腹と自社の回答
会費は、7回すべて自腹でした。客先から出た覚えはなく、元請けのリーダーが一部を持っていたかどうかも、私には見えていません。
ここでは、実際に払った額と、自社に確認したときの回答を書きます。
5回参加した会費の合計
歓迎会は主賓割引の3,000円、ほかの4回は4,000円から6,500円でした。
3社目の2年半で払った会費。二次会には行っていないので、含まれていません。
交通費の追加はありませんでした。会場は客先の最寄り駅の周辺で、帰りの電車も6か月定期の区間内です。定期代の扱いは、交通費の記事に書いています。
営業に聞いたら「勤務外なので自己負担」でした
最初の忘年会の案内が出る少し前、2023年11月の月1回のチャットで、営業に聞いてみました。同じチームに自社の人間は私1人だったので、こうした扱いを確認する相手は営業でした。
客先の懇親会に誘われた場合、会費や、帰りが遅くなった分の扱いはどうなりますか。
懇親会は勤務外の扱いなので、会費は自己負担です。勤怠には入れないでください。客先の指示で業務として出る会合は別なので、その場合は事前に連絡をください。
返信は翌営業日でした。これは私の自社の運用で、法的な見解ではありません。会社によっては、客先の懇親会でも一定額を補助するところがあるのかもしれませんが、私は確認していません。
自分の会社の扱いは、聞かないと分かりません。聞いて困る質問でもないので、入場前に聞いておくほうが楽です。
客先の飲み会は残業扱いになる?勤怠と労働時間の考え方
結論私の3社目では、勤務時間外の飲み会は勤怠に入れませんでした。法的にどう扱われるかは、国の一般原則と、弁護士の解説で整理が分かれます。私は断定できません。
「飲み会が残業になるか」は、検索でも多く出てくる疑問です。確認できた範囲を、国の資料と弁護士の解説に分けて書きます。
国のガイドラインが言っていること
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」では、労働時間は「使用者の指揮命令下に置かれている時間」で、使用者の明示または黙示の指示で業務に従事する時間が該当する、とされています(出典: 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン|岡山労働局)。
ここに、懇親会への言及はありません。飲み会そのものを労働時間と判断する基準は、国の資料には載っていない、というのが確認できた範囲です。
弁護士の解説による整理
飲み会の当てはめについては、弁護士ドットコムニュースの解説が、東京地裁の枠組みを紹介していました。業務上の必要性が客観的に認められることと、参加の強制性があることの両方が要件になる、という整理です(出典: 弁護士ドットコムニュース)。
業務性の判断では、業務行事に続けて開かれているか、自由参加の余地がない参加要請か、社内のスケジュールに載っているか、会社が費用を負担しているか、賃金が払われているか、といった要素が挙げられていました。
この節で確認できていないこと
上の2要件は弁護士解説側の整理で、国の資料ではありません。自分の飲み会が労働時間にあたるかは、個別の事情で変わるため、私には判断できません。気になる場合は、自社の人事・営業か、労働基準監督署に確認してください。
私がこの整理を読んで考えたのは、客先の飲み会には、そもそも自社の指示がない、という点です。自社の営業は「勤務外」と言っていますし、会費も自己負担でした。ただ、自社の指示がなければ労働時間ではない、と私が言えるわけではありません。
17:30に出た打ち上げで、迷った勤怠
勤怠で一度だけ迷ったのが、2024年3月のデータ移行の本番切り替え後の打ち上げです。元請けのリーダーが「17:30に出ましょう」と言い、全員で会社を出る流れでした。定時の18:00より30分早い時刻です。
私は、その日の勤怠をどう入れるかを営業に聞きました。返信は「その日は17:30退勤で入力してください」の一行でした。月の精算幅の内側に収まり、給与や請求への影響は、私は確認していません。
勤怠の入力が自社と客先の報告書でずれる仕組みは、別の記事に書いています。
この打ち上げは、業務の区切りの直後で、全員が会社から一緒に出る形でした。弁護士解説の「業務行事に続けて開かれる」に近い形ですが、そこまで考えたのは、あとで資料を読み返してからです。当日の私は、開始時刻だけ営業に確認して、それで済ませていました。
断った2回で起きたこと:1回目の失敗と、2回目の工夫
7回のうち、断ったのは2回です。1回目は、断り方がまずくて冷や汗をかきました。2回目は、その反省を生かして、比較的うまくいった回です。
1回目:「予定がありまして」で日程を動かされかけた
2023年12月、客先のプロパー担当者が席まで来て、忘年会に誘ってくれました。会費は6,000円で、金曜の夜でした。
今週の金曜、忘年会なんですが、来られますか。
すみません、ちょっと予定がありまして。
そうですか。じゃあ、来週に動かしましょうか。
私1人のために、日程を動かさせるわけにはいかない。
冗談半分の言い方だったと思います。ただ、私は焦って「あ、いえ、実は家の用事でして」と言い直しました。結局、日程は動かず、私は不参加になりました。
この件で分かったのは、理由をぼかした断り方は、かえって調整を誘うことです。「予定がある」だけだと、相手は「いつなら空いているか」を考えてしまいます。
2回目:返信で先に断り、当日に個別にあいさつした
2回目は、2025年3月のプロパーの送別会です。この方には、改修の仕様についてたびたび質問に答えてもらっていたので、できれば顔を出したい気持ちもありました。ただ、その日は先約があり、私は案内への返信で前日までに次のように伝えました。
「ありがとうございます。あいにく当日は先約があり、欠席します。お世話になったので、当日の昼にあらためてごあいさつさせてください。」
当日の昼に、短くお礼を伝えました。翌日、そのプロパーの方から返ってきたのは「また今度行きましょう」の一言で、特に何も変わりませんでした。この回で意識したのは、断る理由は短く、日程を動かせない形で言うことと、送別の気持ちは飲み会以外の場で伝えることの2点です。
断った後に、契約や評価で変わったか
正直に書くと、変わった実感はありません。契約は3か月ごとに更新されていて、断った月も更新されました。3社目は最終的に契約終了で離任しましたが、理由は聞いていませんし、飲み会との関係は分かりません。
評価についても、私の自社の評価は、営業が客先の窓口担当と話したときの伝聞が中心です。飲み会の出欠が営業に伝わった形跡は、私の知る限りありません。
ここまでは私の経験で、他の現場や、プロパーと距離が近い現場でも同じとは限りません。断った結果が分かりにくいからこそ、断り方の側で保険をかけておくのが、私の結論です。
歓迎会・送別会・打ち上げ・二次会:断りやすさの違いと見分け方
同じ飲み会でも、断りやすさにはかなり差がありました。3社目の7回と、そこで見聞きしたことから、私の感覚を並べます。
| 種類 | 断りやすさ | 私の見方 |
|---|---|---|
| 歓迎会 | 断りにくい | 自分が主賓。顔を覚えてもらう最初の場になるので、可能なら出る |
| 送別会 | 相手による | 世話になった人なら、個別にあいさつすれば欠席も通りやすい |
| 打ち上げ | 断りにくい | 全員で乗り越えた直後。開始が定時前なら、勤怠を営業に確認する |
| 忘年会 | 断りやすい | 年に1回で人数も多く、1人欠けても目立ちにくい |
| 二次会 | 断りやすい | 終電や翌日の仕事を理由にしやすい。私は一度も行っていない |
この表は、あくまで私の3社目の感覚です。現場ごとにかなり違い、プロパーの数が少ない現場や、毎週のように飲み会がある現場では、また別の温度感になるはずです。
私の場合
自社の人間が私1人のチームでは、飲み会が「自分の顔を覚えてもらう数少ない場」でもありました。出たことで、その後、仕様の経緯を気軽に聞ける相手が増えました。一方、疲れた週に無理して出た回は、翌日の作業効率が落ちました。出るか断るかは、その時期の自分の余裕で決めるのが、結局は一番長続きしました。
プロパーとの距離感そのものについては、4社目の経験を別の記事に書いています。
角が立たない断り方と文面例:理由は短く、日程を動かせない形で
断るときは、理由を長く語らないほうがうまくいきました。私がその後の現場で使っている型は、次の3つです。
- 早めに、短く、返信で断る案内の当日ではなく、分かった時点で伝えます。口頭で聞かれたときも、その場で濁さず返答します。
- 理由は動かせない形で1つだけ言う「予定がある」だけでなく、「先約がある」「家の用事がある」のように、日程を動かしても解決しない理由にします。
- 参加以外の形で気持ちを返す送別会なら、当日の昼に個別にお礼を伝えます。歓迎会や打ち上げなら、翌日に「楽しかったと聞きました」と声をかけるだけでも違います。
場面ごとの言い方を、表にまとめます。
| 場面 | 言い方の例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 客先担当者から口頭で誘われた | 「ありがとうございます。あいにくその日は先約がありまして、今回は失礼します」 | 「また誘ってください」を足すと、次回に断りにくくなる場合もある |
| 案内メール・チャットへの返信 | 「ご案内ありがとうございます。当日は先約のため欠席します。幹事の方、準備をありがとうございます」 | 返信は締め切りより前に出す |
| 二次会に誘われた | 「今日はここで失礼します。明日、朝から作業があるので」 | 直前まで参加した場合、帰りを引き止められにくい |
お酒が飲めない場合は、断る理由にするよりも、「一杯目だけいただきます」と伝えて出てしまうほうが楽でした。私自身は、翌日に朝から作業があるときはウーロン茶に切り替えていて、それを指摘されたことはありません。
アルコールを強要する雰囲気や、嫌な絡み方をされる場だった場合は、断るだけでなく、自社の営業に報告して相談するのが先です。一人で抱えていると、次の飲み会がさらに断りにくくなります。
断る前に自社と客先に確認しておくこと
断るかどうかを決める前に、確認しておくと後が楽になることがあります。私が3社目で、後から「聞いておけばよかった」と思った項目です。
飲み会の案内が来たときに確かめること
- 自社の扱いは、勤務外で会費自己負担か。補助や精算の制度はあるか
- 開始時刻は定時の前か後か。前の場合、勤怠の入力方法を営業に聞いたか
- 案内に出欠の理由を書く欄はあるか。「任意」と書いてあっても、報告を求められていないか
- 幹事は誰か。断る相手は、直属のリーダーか、他社の担当者か
- 断った相手と、今後の仕事でどれくらい接点が残るか
3つ目の「任意と書いてあっても出欠報告を求められる」という形は、自社の帰社日でも経験しました。飲み会と帰社日では立場が違いますが、任意の建前と、断りにくさの実態は別物という点で、似ていると感じました。
同じチームに自社の人間がいない現場では、営業への連絡が実質の相談窓口になります。聞きにくいと感じても、飲み会の扱いくらいの質問なら、むしろ聞かないほうがリスクになる、というのが私の見方です。
まとめ
客先常駐の飲み会は、原則断ってかまいません。私は3社目の2年半で、7回の案内のうち5回出て2回断りましたが、断ったことで更新や仕事の割り振りが変わった実感はありませんでした。
- 会費は自腹が基本 5回参加で合計23,800円、1回平均4,760円でした。自社の扱いは営業に聞いて、勤務外・自己負担という回答でした
- 残業扱いは断定できない 国のガイドラインに懇親会の言及はなく、東京地裁の枠組みは弁護士解説側の整理です。気になるなら自社か労基署に確認します
- 断るときは理由を短く、動かせない形で 「予定がありまして」だけだと日程を動かす提案を誘い、私は1回目に焦りました
- 参加以外の形で気持ちを返す 送別会は当日の昼に個別にお礼を伝えるだけで、翌日の空気は変わりませんでした
- 断る前に確認する 開始時刻が定時前か、出欠報告を求められていないか、自社の扱いはどうかを先に押さえます
今、客先の飲み会の案内を前にして迷っているなら、まず自社の営業に「勤務外で自己負担か」を一行で聞いてみてください。扱いが分かるだけで、断るか出るかの判断はずっと軽くなります。
そして断ると決めたら、案内の返信で、先約を理由に短く伝えるところから始めれば十分です。




