月末に、客先へ出した作業報告書の合計と、自社の勤怠システムの合計を並べて見たことはありますか。私は3社目で、この2つが合っていない月に当たり、営業から指摘されました。差はたった5.75時間でしたが、理由を聞かれて、すぐには答えられませんでした。
SESエンジニアとして5年ほど、4社の現場に入ってきましたが、勤怠が「客先の記録」と「自社の記録」に分かれていること自体を、誰かに説明された覚えはありません。今回は、3社目で営業から「合計が合っていません」と連絡が来た月の突き合わせを材料に、ズレの原因と、どちらが正なのか、自分で確かめる手順を実体験で整理します。
この記事で分かること
- SESの勤怠が、客先の記録・作業報告書・自社の勤怠の3か所に分かれる仕組み
- 3社目で実際に出た差5.75時間の内訳(丸め2.25時間、入力漏れ3.5時間)
- ズレの原因5パターンと、私が実際に当たった4つ
- 「自社と客先、どっちが正か」について、国のガイドラインから言えること・言えないこと
- ズレは違法なのか、「勤怠不良」とは何が違うのか
- 自分で確かめる5つの手順と、営業に聞くときの質問
目次
- SESの勤怠が自社と客先でズレる理由は、記録が3か所に分かれているからです
- 3社目で、この仕組みはどう見えていたか
- 3社目で営業から「合計が合っていません」と連絡が来た月
- 手元メモと日別に並べたら、原因は2つでした
- 営業はなぜ気づけたのか、私の見立て
- ズレが生まれる原因は5パターンあります
- 締め日の違いは、合計だけ見ても気づけません
- 契約更新の月に、現場コードがずれた話
- 休憩は、ズレなかった月にも怖さがありました
- 自社と客先、どっちの勤怠が正しいのか
- 国のガイドラインが言っていること
- 断定できないこと
- 記録は3年、手元に残しておきます
- ズレは違法なのか、「勤怠不良」とは何が違うのか
- 「勤怠不良」は、別の話です
- 自分の勤怠がズレていないか確かめる5つの手順
- 自分用メモは、このくらいの粗さで足ります
- 差が見つかったとき、最初にやりかけてやめたこと
- 営業に聞くときの質問
- 私が今の現場でやっている運用
- まとめ
SESの勤怠が自社と客先でズレる理由は、記録が3か所に分かれているからです
結論客先は「稼働の事実」を、自社は「給与の根拠」を、それぞれ別の書類と別の仕組みで持っています。この2つを自動でつなぐ仕組みはなく、ズレの有無を確かめられるのは、現場にいる本人と、書類を両方持てる営業だけです。
二重管理と呼ばれる状態は、働いている側から見ると、書く場所が2つあるというだけの話ではありません。同じ1日の労働時間が、性質の違う3つの記録として別々の場所に残るのが実態です。3社目で、私の1日はこのように記録されていました。
| 記録 | 持っている人 | 誰が書くか | 使われ方 | 私から見えるか |
|---|---|---|---|---|
| 客先の入退館ログ | 客先 | ゲートが自動記録 | 入館管理・セキュリティ | 見られない |
| 客先向けの作業報告書 | 客先(承認)と自社営業 | 私 | 稼働の確認、請求の根拠 | 控えが手元にある |
| 自社の勤怠システム | 自社 | 私 | 給与計算 | 見られる |
この3つに、私は3社目から4つ目を足しました。日付と始業・終業時刻だけを書いた自分用のメモです。きっかけは、2社目で定時のまま勤怠を出していたことの反省でした。
2社目の自己申告制の勤怠で何が起きたかは、残業代の記事に書いています。今回はその続きとして、3社目で「突き合わせられる材料が揃っていた」ときに何が分かったのかを書きます。
月報と作業報告書の役割の違いも、別の記事に整理しています。
3社目で、この仕組みはどう見えていたか
3社目は二次請けで、自社の人間が現場に私1人という配置でした。自社との接点は、営業との月1回の近況チャットと、半年に1回の評価面談くらいです。
客先は金融系のWebサイトを扱う現場で、端末はインターネットが一部制限されていました。自社の勤怠は、週末に1週間ぶんをまとめて入れる運用です。客先の報告書は月末、自社の勤怠は週末と、書くタイミングも違いました。
月末の作業報告書は、客先指定のExcelに日付・始業・終業・休憩・作業内容を書いて、客先のプロパー担当者に出す形式です。確認が済んだものを、自社の営業にも共有していました。
- 毎日自分用メモに始業・終業を残す
- 毎週末1週間ぶんを自社の勤怠に入力
- 月末客先に作業報告書を提出
- 翌月初め営業が両方を持って照合
営業が照合しているのは、請求に使う客先承認済みの報告書と、自社の勤怠データです。私は当時、この照合が行われていること自体を知りませんでした。知ったのは、次に書く連絡が来た日です。
3社目で営業から「合計が合っていません」と連絡が来た月
3社目で、8月に入ってすぐ、近況チャットの末尾に、いつもと違う一文が付いていました。7月分の話です。
7月分ですが、客先の承認済みの報告書と、勤怠の合計が合っていません。差の理由を教えてください。
確認します。どちらの合計が大きいですか。
報告書が176.5時間、勤怠が170.75時間です。勤怠の締め期間が違うので、日別で見てもらって大丈夫です。
差は5.75時間でした。月全体の3%ほどで、大きな数字には見えません。ただ、理由を聞かれた時点で私は答えを持っておらず、自分の勤怠が正しいと思っていた根拠は、ただの思い込みだったと気づきました。
7月分の突き合わせ結果。自社の勤怠は締め日が違うため、日別の一覧を暦月に切り直して比べています。
手元メモと日別に並べたら、原因は2つでした
最初に自社の勤怠画面の月次合計を見たときは、何が起きているのか分かりませんでした。画面の合計は、前月26日から当月25日までの期間だったからです。日別の一覧を書き出して、7月1日から31日に切り直したところで、ようやく差が5.75時間と確定しました。
そのうえで、手元のメモ、客先の報告書、自社の勤怠を日付ごとに並べると、差は2つの原因に分かれました。
| 原因 | 差 | 中身 |
|---|---|---|
| 15分単位の切り捨て | 2.25時間 | 自社の勤怠は15分単位でしか入力できず、端数は切り捨てるルールでした。21日の出勤で、1日平均6分あまりが落ちていた計算です |
| 土曜出勤の入力漏れ | 3.5時間 | データ移行のリハーサルや切り替えなどで、客先の事前承認を受けて土曜に出た日です。メモと報告書には書いていたのに、自社の勤怠には入れていませんでした |
ズレは、誰かの不正ではなく、書き方の違いと入力のし忘れから生まれていました。丸めは自社のルールの範囲で、悪意があるわけでもありません。問題は土曜の3.5時間で、これは私の転記漏れです。
自社の勤怠には、土曜出勤の日は日別欄に入力するだけでなく、別画面で休日出勤の申請を出す決まりがありました。私はその申請を出していませんでした。営業が気づかなければ、この3.5時間は自社の勤怠に載らないままだったことになります。
営業にこの2点を返信すると、土曜ぶんは事後で申請してもらえました。土曜出勤は振替休日で処理する運用なので、記録が抜けていると、その処理の根拠も残りません。
営業はなぜ気づけたのか、私の見立て
営業がどう照合しているのかを、私は見たことがありません。ここから先は、連絡の文面から組み立てた見立てです。
営業の手元には、請求の根拠として客先承認済みの報告書が届きます。同じ月の勤怠データは自社の中にあります。請求の側から見て「この人の稼働は176.5時間」と確定している以上、自社データがそれより小さければ、営業は気づきます。
そう考えると、気づける条件にも偏りがあるはずです。請求が減る方向のズレや、報告書より勤怠のほうが小さいズレは目につきやすい。一方で、請求額に影響しない範囲のズレまで、営業が毎月隅々まで見ているとは限りません。
3社目の私は、たまたま営業が見てくれる側にいました。2社目では、同じ種類のズレに誰も気づきませんでした。気づく人がいるかどうかは、制度ではなく、その会社の運用の偶然に左右されます。
ズレが生まれる原因は5パターンあります
差5.75時間の内訳は、ズレの原因のごく一部です。3社目の2年半と、2社目の補足を合わせて、私が現場で見聞きした原因を整理すると、次の5つになります。
| 原因 | 何が起きるか | 私の現場での実例 |
|---|---|---|
| 丸めの違い | 片方は分単位、もう片方は15分単位で切り捨て | 7月に計2.25時間(3社目) |
| 入力漏れ・転記ミス | 片方にだけ書く、日付や時刻を写し間違える | 土曜出勤3.5時間(3社目) |
| 休憩の扱い | 客先の定型は昼休憩を自動で控除、自社は手入力 | 3社目は毎回60分で揃えていたためズレなし |
| 締め日の違い | 客先は暦月、自社は25日締めなど | 月次合計を直接比較できなかった(3社目) |
| 現場コードの表記違い | 契約更新で案件コードが変わり、入力先を間違える | 更新初月の入力漏れ(3社目) |
この表を3つに絞らず5つ並べたのは、ズレは1つの原因で起きるのではなく、複数が重なって小さな差になるからです。先に挙げた2つのほかに、実際に引っかかった残りの2つを書きます。
締め日の違いは、合計だけ見ても気づけません
客先の作業報告書は、1日から末日までの暦月です。自社の勤怠は毎月25日締めで、26日から翌月25日までを1か月として集計されます。この違いは、制度としては自然です。客先への請求は暦月、自社の給与は締め日基準という、別々の事情で決まっているからです。
困るのは、月の合計だけを比べても、ズレの有無が判断できなくなることです。先ほど書いたとおり、私は最初、画面の合計を見て何が起きているのか分かりませんでした。比べるなら、日別まで分解して期間をそろえる作業が必要です。
契約が3か月ごとに更新されるため、更新の月に案件の区切りが入ることもあります。更新の仕組みは、別の記事に書いています。
契約更新の月に、現場コードがずれた話
もう1つは、更新の初月の出来事です。自社の勤怠システムには、稼働した案件を選ぶ欄があります。更新のたびに、営業が管理しやすいように案件コードが切り替わる運用でした。
私は2024年の10月、新しいコードが案内されたことに気づかず、旧コードのまま1週間ぶんを入力しました。時間の合計は合っていましたが、集計上は「どの案件にも紐づかない稼働」になり、営業が工数を集めるときに引っかかりました。
営業が手で付け替えてくれたので、給与にも請求にも影響はありませんでした。それでも、時間は合っていても、紐づけが違うだけで、別のズレとして見つかることは分かりました。表記の揺れは、時間の合計だけ見ていても拾えません。
休憩は、ズレなかった月にも怖さがありました
休憩の欄は、3社目では1度もズレませんでした。ただ、それは私が毎回60分と書いていたからで、仕組みが守ってくれていたわけではありません。
客先の報告書のExcelは、昼休憩を60分で固定して引く作りでした。実際には昼を30分ほどで切り上げて席に戻る日もありましたが、そういう日も報告書の上では60分休んだことになります。書類が定型のままだと、実態より休憩が長く記録される方向にもズレうるのです。
私は、昼を短く済ませた日はメモの備考に「昼30分」と書き残すようにしました。直接の問題になったことはありませんが、後から事実を説明する材料は、書類の外に自分で持っておくしかないと考えています。
自社と客先、どっちの勤怠が正しいのか
結論どちらが正かは、契約と記録の中身で決まるので、私には断定できません。ただ、国のガイドラインでは、労働時間を確認・記録する責任は使用者の側に置かれています。
この疑問は、ズレを見つけた人が一番気になるところです。私も、5.75時間の差を聞かれたとき、どちらを信じればいいのかが分かりませんでした。ここでは、確認できた範囲の一般原則と、言えないことを分けて書きます。
国のガイドラインが言っていること
厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」の解説では、始業・終業時刻を労働日ごとに確認し、記録することが求められています。確認の方法は、使用者が自ら現認するか、タイムカードやICカード、パソコンの使用時間といった客観的な記録を基礎にするのが原則です(出典: 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン解説|兵庫労働局)。
自己申告制を採る場合の条件は、次の3点です。2社目の記事で詳しく触れたので、ここでは項目だけ挙げます。
- 事前に、実態に合った時間を申告するよう説明すること
- 必要に応じて実態を調査し、申告を補正すること
- 申告を妨げる運用をしないこと
ここから言えるのは、記録の把握は、本人ではなく使用者に求められているという整理です。客先の入退館ログのように、自社が持っていない客観的な記録があるとき、自社がそれをどう扱うかは、現場の運用次第になります。
断定できないこと
逆に、「客先の記録が正しいので、自社の勤怠はそれに合わせるべき」とも、その反対とも、私は書けません。民事上の結論は、契約の内容や個別の事情で変わるからです。
自分の現場のルールを知る手段としては、私はこう考えています。請求の根拠になりやすいのは客先の承認済み書類、給与の根拠になるのは自社の勤怠という使い分けが、少なくとも私の3社目では実態でした。どちらが正かを争う前に、ズレを見つけた側が事実を並べて確認する。それが先だと思います。
この節で確認できていないこと
3社目の営業が、実際にどの資料をどの順で照合しているのかは、私は確認していません。「請求側の書類と自社データを見比べている」というのは、連絡の文面から組み立てた見立てです。自社の運用は会社ごとに違うので、読者の方の現場に当てはめる前に、自分の営業に確認してください。
記録は3年、手元に残しておきます
もう1つ、事実として確認できたことがあります。厚生労働省のQ&Aでは、出勤簿やタイムカードなどの保存期間は、当分の間3年とされています(出典: 出勤簿・タイムカード等の保存期間|スタートアップ労働条件(厚生労働省))。賃金台帳は労働基準法108条に基づく書類で、労働時間の記録書類も3年の保存が求められています。
これは使用者側の義務ですが、本人にとっては別の意味を持ちます。会社が記録を持っているはずでも、自分の控えがなければ、何が正しかったのかを自分では説明できません。私が自分用メモを3年分は残すと決めているのは、この理由です。
ズレは違法なのか、「勤怠不良」とは何が違うのか
ズレを見つけると、「これは違法なのでは」と考えたくなります。検索でも「SES 勤怠管理 違法」という言葉は多く見かけますし、私も最初に頭をよぎりました。
ただ、記録に差があること自体が、直ちに違法と言えるわけではありません。ガイドラインが問題にしているのは、使用者が労働時間を適正に把握しているか、申告を妨げていないか、賃金が実態に見合って払われているかです。差が出たあとに、気づいて正すかどうかが、運用の質を分けます。
私の3社目のケースは、ズレが見つかり、営業が差分を確認して、翌月に調整されました。これを違法とも適法とも判定する立場に、私はありません。ただ、「ズレ=悪意や違法」と決めつけるより、まず原因を分解するほうが、現場では前に進みます。
「勤怠不良」は、別の話です
もう1つ、検索で並んで出てくる言葉に「勤怠不良」があります。これは、遅刻や欠勤が続いて客先から問題視されるといった、働き方の評価の話です。書類のズレとは別の問題です。
ただ、境目が曖昧になる場面はあります。客先の入退館ログと、作業報告書の始業時刻が揃っていないと、説明に困るかもしれません。私は3社目で、始業を定時の9:00で揃えて書いていた時期がありました。入館は8:45前後です。客先から指摘されたことは一度もありませんが、入館時刻と書類の始業時刻を、自分の中で説明できる状態にはしておきたいと考えています。
書類のズレが勤怠不良として扱われた例は、私の周りでは見聞きしていません。これは自分の経験の範囲での話です。
自分の勤怠がズレていないか確かめる5つの手順
営業の連絡を待っているだけでは、気づけるのは請求に効くズレだけかもしれません。給与に効くズレは、自分で確かめるほうが確実です。7月の突き合わせで私がやった手順を、再現できる形にまとめます。
- 自分用メモを用意する日付と始業・終業時刻だけで足ります。3社目から、日々のメモは続けてきました。
- 客先の報告書と、自社の勤怠の日別一覧を出す月次の合計では判断できません。日別の一覧が出せるか、自社の画面で確認してください。
- 締め日をそろえる自社の締め期間と客先の暦月がずれているなら、どちらかに寄せて組み直します。私は暦月に寄せました。
- 3つを日付ごとに並べて、差が出た日を拾う差のある日を見つけたら、丸めなのか、入力漏れなのか、転記ミスなのかを分類します。
- 差の理由を営業に伝える自社側の修正が必要なら、申請や修正の方法を聞きます。私は土曜出勤の事後申請を出しました。
手順の2と3が、一番手間のかかる部分です。7月分で私が実際にかけた時間は、1時間半ほどでした。毎月やる作業ではなく、気になった月に1回やれば、癖が分かります。
自分用メモは、このくらいの粗さで足ります
メモと聞くと身構える方もいますが、私のものは表計算ソフトの1シートです。書くのは日付と、入館した時刻、始業、終業、休憩の4つと、普通と違う日の備考だけです。
| 日付 | 入館 | 始業 | 終業 | 休憩 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 7/9(火) | 8:50 | 9:00 | 18:20 | 60分 | |
| 7/13(土) | 9:10 | 9:30 | 13:00 | なし | 休日の客先作業、客先の事前承認あり |
| 7/16(火) | 8:45 | 9:00 | 19:05 | 60分 | 障害対応 |
表は7月のメモから数日ぶんを抜き出し、時刻は少し変えてあります。ポイントは、普通でない日に、理由を一言残しておくことです。土曜出勤の3.5時間は、メモに「事前承認あり」と書いていたから、営業への返信でも迷わず説明できました。
差が見つかったとき、最初にやりかけてやめたこと
実は7月の突き合わせの途中で、私は一度、楽な方に流れかけました。客先の報告書の時間を、自社の勤怠に合わせて少し下げてしまえば、合計は一致します。ズレを消すだけなら、それが一番早いと、あのときは考えたのです。
ただ、報告書は客先の承認が済んだ書類で、請求の根拠にもなっています。私が勝手に書き換えてよいものではありません。そもそも実際に働いた時間は報告書のほうが近く、動かすべきだったのは自社の勤怠でした。営業に確認すると、承認後の報告書には触らず、直すなら自社側で、という返事でした。
返信は、数字と原因だけを書く形にしました。感情や言い訳を入れないほうが、営業も処理しやすいはずだと考えたからです。
7月分の差は5.75時間でした。内訳は、15分単位の切り捨てで2.25時間、7月13日(土)の出勤3.5時間の入力漏れです。土曜は客先の事前承認を受けており、手元のメモと報告書には残っています。休日出勤の申請を、事後で出させてください。
この文面は、読み返しても特別なことは何も書いていません。それでも、差と原因と、自分が何をしてほしいのかが一度で伝わったのか、返事は翌日に来ました。
営業に聞くときの質問
突き合わせの途中で、聞いておくと後が楽になる質問があります。3社目の営業とのやり取りで、実際に役に立ったものを挙げます。
営業に聞いておきたいこと
- 自社の勤怠の締め日はいつか。客先の集計期間とどうずれているか
- 勤怠の入力は何分単位で、端数はどう処理されるか
- 休日出勤は、日別欄の入力のほかに申請が必要か
- 契約更新のたびに現場コードが変わるか、変わるときの案内はどこから来るか
- 客先の報告書と勤怠の合計は、誰が、いつ照合しているか
精算幅についても、営業に聞いたことがあります。下限の140時間は答えてもらえましたが、上限と超過単価は聞けませんでした。契約を見られる立場でもないので、7月の176.5時間が請求にどう反映されたのか、私は今も知りません。営業の役割と限界は、別の記事にまとめています。
私が今の現場でやっている運用
3社目の突き合わせから学んだことを、今の4社目にも持ち込んでいます。やっていることは地味で、3つだけです。
今の現場で続けている3つの運用
- メモを入力の元データにする 土曜の入力漏れは、メモには書いていたのに、勤怠への転記で抜けた事故でした。週末の入力が終わったら、メモと勤怠を日別に見比べる作業を最後に加えています。5分もかかりません
- 月初に1回、合計を並べる 客先の報告書の合計と自社の勤怠の合計を見比べ、締め日が違う場合は日別まで下ろします。差が小さくても、原因が分かる状態で月を終えられます
- 更新月は案内を読み直す 現場コードは契約が更新されるたびに変わるかもしれないと考えて、更新月の最初の入力前に営業の案内を確認します。10月の失敗以来、これだけは習慣です
4社目は、作業報告書が日付・時刻・作業内容の3欄だけで、金額の欄はありません。それでも、自社の勤怠と客先の記録が別々にあるという構造は、3社目と変わりませんでした。現場が変わっても、突き合わせの癖は持ち越せます。
まとめ
SESの勤怠が自社と客先でズレるのは、記録が客先の入退館ログ、作業報告書、自社の勤怠と、別々の場所に分かれていて、自動でつながっていないからです。3社目で営業から連絡が来た7月分は、客先176.5時間、自社170.75時間で、差は5.75時間でした。
- 差の内訳は、丸めと入力漏れ 15分単位の切り捨てで2.25時間、土曜出勤の申請漏れで3.5時間でした。誰かの不正ではなく、書き方の違いと転記のし忘れから生まれたズレです
- 原因は5パターンに分けられる 丸め、入力漏れ・転記ミス、休憩の扱い、締め日の違い、現場コードの表記違いです。日別に並べると分類できます
- どちらが正かは、断定しない 国のガイドラインでは労働時間の把握は使用者の側に求められています。請求の根拠は客先の承認済み書類、給与の根拠は自社の勤怠、というのが私の現場の実態でした
- ズレは違法とは限らず、勤怠不良とも別 気づいて正す運用があるかが分かれ目です。入館時刻と書類の始業時刻は、自分で説明できる状態にしておきます
- 確かめるのは本人が一番早い メモ、客先の報告書、自社の勤怠を日別に並べれば、1時間半ほどで差の中身が分かります
私が3社目で救われたのは、たまたま営業が照合してくれたからです。2社目では誰も気づかず、私自身も気づけませんでした。気づく人がいるかどうかは、運用の偶然に左右されると考えています。
もし今、自社の勤怠の合計と、客先に出した作業報告書の合計を、並べたことがないなら、今月分を日別に並べてみてください。差がなければそれで安心ですし、あれば、原因を分類するところから始められます。




