会議のたびに「議事録、お願いしていい?」と声がかかり、気づけば自分の仕事は議事録と周辺の雑用ばかりになっていました。こうした状況に、スキルがつかないのではと不安になっている方は多いと思います。

私はSESで5年ほど、4社の現場を経験してきました。3社目の保守チームに移った直後の数か月は、まさに議事録と雑務が仕事の大半でした。

今回は、議事録係が続くときの見極め方と、現場の中でできる動き方を、実体験を交えてお伝えします。

この記事で分かること

  • 議事録係そのものがスキルにならないのではなく、「清書だけで終わるか」が分かれ目になる理由
  • 議事録の役割を見極める4つの軸(決定事項の整理・判断への接触・抱き合わせ・期間)
  • 議事録を要約・ToDo管理・確認連絡へ広げる、現場内の具体的な動き方
  • 契約更新(3か月)を区切りにした見極め方と、自社の営業への相談例文
  • 4社目で議事録を任せる側になって分かったこと
目次
  1. SESで議事録係ばかり任されるとき、スキルにならないと感じる正体
  2. 3社目の前半:手順書の修正メモが仕事に直結していた
  3. 3社目の後半:保守チームに移って最初の約3か月
  4. 最初の議事録は、発言をほぼそのまま書き起こしていた
  5. 「雑用」「雑務」と呼ばれる仕事を、私はこう分けている
  6. 議事録がスキルにならなくなる条件|見極めの4つの軸
  7. 軸1:決定事項を自分で整理して確認する役か、清書だけか
  8. 軸2:書く過程で、仕様やスケジュールの判断に触れられるか
  9. 軸3:他の工程と抱き合わせか、議事録専任か
  10. 軸4:いつまで続くのか、期間の見込みはあるか
  11. 議事録を「スキルになる形」に変える、現場内でできる動き方
  12. 1. 発言の羅列をやめて、決定・未決・ToDoの3つに分ける
  13. 2. 分からない点は、会議の後で一言確認する
  14. 3. 議事録をもとに、確認の連絡を出す
  15. 4. 議事録を、自分の改修の影響範囲調査に使う
  16. 5. 失敗:やりすぎて、窓口に「そこまでは不要」と言われた
  17. 契約更新の3か月ごとに見極める|いつまで議事録中心を続けるか
  18. 私の3社目の場合:最初の約3か月で、役割が変わり始めた
  19. 3か月たっても変わらないなら、区切りとして動く
  20. 自社の営業に相談するときの例文(私は3社目で相談しなかった)
  21. 議事録係を指示しているのは誰か|37号告示の考え方を参考に
  22. 4社目で議事録を任せる側になって分かったこと
  23. 経験の浅い人に議事録を任せたくなる理由
  24. 任せっぱなしにしないために、私が気をつけていること
  25. 任される側が、任せる側の意図を確かめる方法
  26. まとめ

SESで議事録係ばかり任されるとき、スキルにならないと感じる正体

最初に、私が3社目でどんな状況に置かれたのかを書きます。そのうえで、「雑用」と「必要な仕事」をどこで分けて考えているのかを整理します。

結論議事録係であること自体は、スキルにならない原因ではありません。分かれ目は、決まったことを自分で整理して確認する役なのか、聞こえた内容を清書するだけの役なのかです。

3社目の前半:手順書の修正メモが仕事に直結していた

3社目は二次請けの現場で、前半の約1年はデータ移行を担当しました。手順書に沿って、リハーサルと本番切り替えを実行する役です。自社の人間は、移行チームでは私1人でした。

リハーサルが終わるたびに振り返りの場があり、手順書の誤りや漏れが洗い出されます。その内容を議事メモにまとめて、修正点として手順書に反映する作業が、実行役の私に回ってきました。

この時期のメモ書きは、雑用だとは感じませんでした。書いた内容が次のリハーサルの手順に変わり、その手順を実行するのも自分だからです。

移行期に身につかなかったもの(システム全体の構造の理解やコードを書く経験)は、別の記事に整理しています。

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3社目の後半:保守チームに移って最初の約3か月

移行プロジェクトが終わり、後半の約1年半は保守改善のチームに移りました。担当が変わったのは、プロジェクトが終わったためで、自分の希望ではありません。

保守チームの最初の約3か月は、改修依頼の割り振りが多くありませんでした。代わりに私の仕事の中心になったのが、週次の定例会議の議事録と、課題を整理するExcelの更新、問い合わせ内容の一覧づくりです。

依頼元とのやり取りは、連絡窓口のリーダーを通す決まりでした。その窓口のリーダーとのやり取りが、次のようなものです。

窓口のリーダー

定例の議事録、お願いしてもいいですか。まだ改修の割り振りが少ないので、まずは会議に出て流れをつかんでもらえると。

私

分かりました。

私

これが半年も続いたら困るな。

頼まれ方は穏やかで、悪意はまったくありませんでした。それでも、断る理由もなく引き受けたこの一言が、最初の3か月の私の仕事を決めました。

最初の議事録は、発言をほぼそのまま書き起こしていた

当時の私の議事録は、誰が何を言ったかを、できるだけ漏らさずに書くものでした。会議が終わってから清書するのに、会議と同じくらいの時間がかかります。

しかも書いているときの私は、何が決まったのかを、自分では整理していませんでした。発言を順番に並べただけで、決定事項と、まだ決まっていない事項が文章の中で混ざっていたのです。

私の場合

今読み返すと、当時の議事録は「発言の記録」であって「決定事項の記録」ではありませんでした。会議の後で誰かに「結局、あの件は誰がいつまでにやるんでしたっけ」と聞かれても、私の議事録からは答えが拾えない状態です。清書しているだけの感覚があり、スキルにならないと感じていたのは、そのためだったと思います。

「雑用」「雑務」と呼ばれる仕事を、私はこう分けている

現場には、議事録のほかにも、課題Excelの更新、資料の体裁の調整、問い合わせ一覧の整形といった雑務があります。私はそれらを一律に「雑用」と切り捨てず、その成果物が、誰かの判断に使われるかで分けるようにしています。

誰かが次の判断をするときに参照する資料なら、整理の仕方次第で価値が変わります。逆に、誰にも参照されず、体裁を整えるだけの作業なら、雑用の色が濃くなります。

3社目で抱えていた雑務を、この分け方で並べ直すと次のようになります。

雑務判断に使われる場面私の見方
週次定例の議事録改修の優先度や調査の方針が決まる整理して残せば、一番力になりやすい
課題Excelの更新未解決の課題の管理に使われる担当・期限が埋まっていれば使われる。状態を書き換えるだけなら機械的な作業
問い合わせ一覧の整形同じ質問の繰り返しに気づける傾向を一言添えると参照されやすい
資料の体裁調整誰にも参照されないことが多いこれだけが続くなら警戒する

議事録は、書き方で両方になり得る仕事です。この「どちらになり得るか」を見極めるために、次の章で4つの軸を使います。

議事録がスキルにならなくなる条件|見極めの4つの軸

議事録係を続けるべきか、早めに動くべきかを判断するために、私は4つの軸で自分の状況を見ています。最初に全体を表にまとめ、そのあと軸ごとに、3社目での実際を書きます。

軸スキルにつながる側スキルになりにくい側
決定事項の扱い決まったことを自分で整理して確認する発言を清書するだけで、確認はしない
判断への接触書く過程で仕様・スケジュールの判断に触れられる判断の場面には呼ばれず、結果だけ書く
他工程との組み合わせ設計・実装・テストなどと並行している議事録・資料整形だけで一日が終わる
期間数か月で次の役割に移る見込みがある終わりが決まっておらず、交代の予定もない

軸1:決定事項を自分で整理して確認する役か、清書だけか

一番大きな違いは、ここです。議事録の最後に「決定事項」「未決事項」「ToDo」を並べ、それを会議の参加者に確認する役であれば、会議の中身を理解していないと務まりません。

清書だけの役なら、聞き取れた言葉を並べれば成立してしまいます。私の最初の3か月は、まさにこちらでした。

同じ議事録でも、役割の違いで、手元に残る力がまったく変わります。違いを並べると次のとおりです。

清書だけの議事録

  • 発言を時系列でそのまま並べる
  • 決まったことと未決が混ざる
  • 誰が・いつまでにが書かれていない
  • 参加者への確認はしない

整理して確認する議事録

  • 決定・未決・ToDoの3つに分けて書く
  • 決定の理由を一行添える
  • 担当者と期限をToDoに入れる
  • 認識の違いがないか、参加者に確認する
同じ会議でも、書き方を変えるだけで、議事録は「記録」から「判断の材料」に変わります。

軸2:書く過程で、仕様やスケジュールの判断に触れられるか

次に見るのは、議事録を書くことを通して、仕様やスケジュールの判断に触れられるかです。

保守の現場では、定例会議の中で「この改修はいつまでに」「この不具合の原因はどこまで調べるか」といった判断が出ます。その場で何が検討され、何を理由に決まったのかを知ることは、後で自分が改修を担当するときに直接役立ちます。

一方で、判断の場面に呼ばれず、結果だけを書く立場だと、触れられるものが減ります。私の現場は定例に出席できたので、判断の理由を聞ける位置にはいました。問題は、それを自分の中に残す書き方をしていなかったことです。

軸3:他の工程と抱き合わせか、議事録専任か

議事録と並行して、設計・実装・テストにも関わっているかどうかも、大きな軸です。

私の保守チームでは、後半に入ると、依頼ごとに割り振られる改修が増えました。設計・実装・テストを一人で完結することもあれば、チームで分担することもあり、レビューは毎回受けました。議事録は、その合間の仕事に変わっていきます。

もし議事録と資料整形だけで一日が終わる状態が続くなら、技術のスキルが積み上がらないという意味では、警戒していい状態です。逆に、他の工程と並行しているなら、議事録はむしろ現場の流れを知る手段になります。

軸4:いつまで続くのか、期間の見込みはあるか

最後は期間です。数か月で別の役割に移る見込みがあるなら、議事録は立ち上がりの期間の仕事として受け止められます。

一方、いつ終わるか決まっておらず、交代の予定もないなら、「ずっと議事録係」の固定化に進みやすくなります。固定化の怖さは、周囲があなたの役割を「議事録係」として覚えてしまうことです。

契約更新の区切りを使った見極め方は、後の章で書きます。

議事録を「スキルになる形」に変える、現場内でできる動き方

見極めのあとは、動き方です。私が3社目の保守チームで、議事録の書き方と周辺の動きを変えていった順番を、そのまま手順にまとめます。

  1. 会議で聞く決まりそうなことに印をつける
  2. 3つに整理決定・未決・ToDo
  3. 確認の一言認識違いがないか聞く
  4. 共有・活用次の改修の調査に使う
私が議事録の役割を広げるときに踏んだ順番です。

1. 発言の羅列をやめて、決定・未決・ToDoの3つに分ける

最初に変えたのは、議事録の見出しです。会議の最後に「今日決まったこと」「まだ決まっていないこと」「次にやること(担当・期限)」の3つに分けて書くようにしました。

この3分割は、書く人が会議の内容を理解していないと書けません。分からないところは、そのまま空欄になるので、自分の理解の穴が目に見える形で出てきます。

最初のうちは、空欄が多く出ました。空欄の数が、そのまま自分の理解不足の数でした。

2. 分からない点は、会議の後で一言確認する

空欄は、放置せずに確認します。ここで役に立ったのが、保守改善の時期にいた、5年以上現場にいる40代くらいの協力会社の方です。質問・課題を整理するExcelのほか、チャットや口頭でも聞ける環境でした。

私

定例の議事録で、この改修の対象画面が決まった経緯だけ、分からなかったんです。教えてもらえますか。

協力会社の方

ああ、そこは以前の経緯があって対象になっているんですよ。理由を一行足しておくと、後で助かりますよ。

この「理由を一行足す」という助言は、私の議事録の書き方を変えました。決定事項の隣に理由があると、後から読む人(未来の自分を含む)が、判断の背景を再現できます。

3. 議事録をもとに、確認の連絡を出す

議事録を共有する際に、一言を添えるようにしました。送り先は窓口のリーダーです。文面は、次のような形でした。

  • 「定例の内容を、決定・未決・ToDoに整理しました。認識に違いがないか、ご確認ください」
  • 「ToDoの担当と期限は、こちらで仮置きしています。違っていれば教えてください」
  • 「未決の項目は、次回までに誰が判断する想定か、確認させてください」

この一言があるだけで、議事録は「書いた人の記録」から「参加者の合意の確認」に変わります。認識違いが早いうちに見つかるので、手戻りも減ります。

ただし、確認の連絡が窓口経由で遅くなる現場もあります。その場合の待ち方は、別の記事に書いています。

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4. 議事録を、自分の改修の影響範囲調査に使う

議事録を整理し始めてから、一番実感した効果がこれです。保守の改修では、影響範囲の調査に1件あたり半日〜1日かかります。

過去の定例で、どの機能にどんな変更が入ると言われていたのかを、自分の整理した議事録から引けると、調査の入口が早く見つかります。自分で書いた議事録が、自分の調査の索引になるわけです。

影響範囲の調査や、リリース手順の重さについては、別の記事に詳しく書きました。

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5. 失敗:やりすぎて、窓口に「そこまでは不要」と言われた

正直に書くと、ここで一度、やりすぎました。確認の連絡を、会議の参加者全員に毎回送り、返信まで求めたのです。

しばらくして窓口のリーダーから「議事録は共有フォルダに置いてもらえれば十分で、確認が必要なときだけ個別に聞いてください」と言われました。

やりすぎの目安

確認の連絡は、相手の負担になれば逆効果です。全員への一斉確認ではなく、「未決で自分が止まってしまう項目」と「担当が自分になる項目」に絞るほうが、現場では受け入れられやすいと感じました。現場ごとの流儀があるので、最初に窓口に好みを聞いておくのが無難です。

それ以降は、確認する項目を絞りました。確認は、自分の作業が止まる部分に絞るのが、私の結論です。

議事録の書き方そのものについては、TECH+に「見せる議事録」を扱った記事(2009年)があります。内容の紹介まではしませんが、書き方を体系的に見たいときの入口になります(出典: TECH+「見せる議事録」)。

契約更新の3か月ごとに見極める|いつまで議事録中心を続けるか

動き方を変えても、役割が変わらないことはあります。そのときに、私は契約の更新を区切りに見極めるようにしています。

SESの契約は、3か月単位で更新される形が多く見られます。更新の仕組みと更新されない兆候については、別の記事で整理しています。

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私の3社目の場合:最初の約3か月で、役割が変わり始めた

私の保守チームでは、最初の約3か月が議事録と周辺の雑務中心で、3か月が過ぎたあたりから、改修依頼が割り振られ始めました。書き方を変えた時期と、割り振りが増えた時期は重なっています。

最初の約3か月議事録中心課題Excel・問い合わせ一覧も
3か月が過ぎたあたり改修が割り振り開始設計・実装・テスト
後輩が入ってから議事録を引き継ぎ自社の後輩に渡した

3社目の保守チームでの、議事録の位置づけの変化です。正確な月数は伏せています。

役割が変わった理由が、議事録を整理して見せるようにしたからなのか、単に依頼の件数が増えたからなのかは、正直に言うと分かりません。因果は断定できません。

ただ、定例の中身を理解している人間のほうが、改修を割り振りやすい、というのは現場で感じたことです。

なお、後輩が入ってからは議事録を引き継ぎました。自分が最初に「清書だけ」で苦労したので、渡すときは決定・未決・ToDoの3つの見出しだけは共通にしたいと考えて、そこを伝えたつもりです。

3か月たっても変わらないなら、区切りとして動く

もし私が、3か月の更新時期を過ぎても議事録だけの状態が続いていたら、どうしていたか。今の私なら、次の順で動きます。

更新の区切りで確かめること

  • 議事録の書き方を変えて、1〜2か月は様子を見たか
  • 窓口のリーダーに「改修も担当したい」と直接伝えたか
  • 他の工程(設計・実装・テスト)に関われる見込みを、聞いたか
  • それでも変わらないとき、自社の営業に状況を伝えたか

ここで大事なのは、現場の中で試したことを、事実として持っておくことです。何もせずに「議事録ばかりで嫌です」と営業に伝えるのと、「書き方を変え、窓口にも伝えたが変わらなかった」と伝えるのとでは、受け止められ方が変わります。

自社の営業に相談するときの例文(私は3社目で相談しなかった)

正直に書くと、3社目の私は、議事録中心の時期に自社の営業へ相談していません。営業の動き方への期待値が分からなかったことと、3か月で役割が変わりそうだったので、様子を見たためです。

結果的に変わりましたが、変わらない場合の保険を、持っていなかったことは反省点です。今なら、次のように伝えます。

  • 「定例の議事録と課題整理が、ここ3か月の仕事の大半です。改修の設計・実装にも関わりたいと思っています」
  • 「書き方を変えて、決定事項の整理や確認連絡までやっています。次の役割について、客先に相談してもらえますか」
  • 「次の更新までに変わらない場合は、別の案件の選択肢も含めて相談させてください」

営業が客先とどう調整するか、どこまで動けるかは、会社によって違います。営業の役割と限界は、別の記事で整理しました。

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現場を変える判断そのものは、別の記事にまとめています。

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議事録係を指示しているのは誰か|37号告示の考え方を参考に

議事録を任されたときに、見落としやすい観点がもう一つあります。その仕事を指示しているのは誰か、という点です。

この節の範囲

ここで触れる37号告示は、請負と労働者派遣の区分基準を定めたものです。準委任のSESにそのまま当てはまるわけではなく、議事録係が違法かどうかを判断するものではありません。「誰が指示を出す立場か」を考える際の参考として紹介します。

厚生労働省の37号告示の第2条は、請負として認められる要件の一つに、業務の遂行方法に関する指示を、請負事業主が自ら行うことを挙げています(出典: 厚生労働省 37号告示)。

SESの準委任でも、業務の進め方を誰が決めるのかは、契約の趣旨に関わる論点です。客先の担当者が、日々の作業を直接割り振り、議事録や雑務を随時指示している場合、自社の指示系統とのずれが生まれます。

議事録係を頼まれること自体は、現場の運営上よくあることです。ただ、自社の営業やリーダーを通さずに、客先から継続的に役割を指定されている状態が続くなら、その点は自社に共有しておく価値があります。

契約外の作業を頼まれたときの考え方と返答の仕方は、別の記事にまとめています。

関連記事SESで契約外の作業を頼まれたら?準委任の業務範囲と断り方・保留の返答例SESで契約外かもしれない作業を頼まれたとき、その場で受けも断りもせず自社の営業に戻す。準委任の業務範囲の考え方、契約範囲の確認…

4社目で議事録を任せる側になって分かったこと

ここまでは任される側の話でした。今の私は4社目で、手を動かしながら3〜5名を見る管理職をしています。議事録を誰に任せるかを考える立場になったので、見る側の視点も書いておきます。

経験の浅い人に議事録を任せたくなる理由

見る側になって気づいたのは、議事録は、経験の浅いメンバーに任せたくなる仕事だということです。理由は、悪意ではなく、現場の都合にあります。

  • 会議に出て流れを知ってもらうのに、ちょうどよい
  • 任せる側の手が空く
  • 成果物が目に見えて、頼みやすい

3社目の窓口のリーダーが「まず会議に出て流れをつかんでもらえると」と言ったのも、今ならその意図が分かります。頼む側は、育てるつもりであることも多いのです。

任せっぱなしにしないために、私が気をつけていること

だからこそ、任せる側が気をつけるべきことがあります。私が議事録を任せるなら、次の2つを守りたいと考えています。すでに全部を実践できているわけではなく、3社目で自分が困った経験から導いた方針です。

議事録を任せるときに私が大事にしたいこと

  1. 持ち回りにする特定の人に固定せず、順番に書いてもらう形が望ましいと考えています。固定すると、その人が「議事録係」として見られてしまうからです。
  2. 書いたものに、一言のコメントを返す「この決定の理由を足すとよい」のように、整理の仕方を返します。清書で終わらせないためです。

見る側の本音を書くと、議事録を整理して書ける人は、論点が見えている人です。議事録の質は、そのまま理解度の表れだと感じます。任された側が「雑用」と受け取るか「評価の材料」と受け取るかは、書き方と周囲の関わり方で変わります。

任される側が、任せる側の意図を確かめる方法

もし今、議事録係を任されているなら、任せた人に、期待を聞いてみるのも一つです。

「議事録は、どのくらい整理して書けばよいですか」「決定事項の確認まで、私がやってよいですか」。この2つを聞くだけで、清書でよいのか、整理まで期待されているのかが分かります。期待が整理まで含むなら、そこは成長の機会です。

まとめ

SESで議事録係ばかり任されると、雑用・雑務ばかりでスキルにならないと感じやすいのは確かです。ただ、議事録そのものが悪いわけではなく、清書だけで終わるのか、整理して確認する役まで広げられるのかで、残るものが変わります。

私の3社目の保守チームでは、最初の約3か月が議事録中心で、書き方を変え、窓口に聞き、様子を見る中で、役割が改修に広がっていきました。理由が書き方なのか、依頼の増加なのかは断定できません。それでも、現場の中で試せることは複数ありました。

議事録係が続くときの確認項目

  • 決定・未決・ToDoを自分で整理しているか(清書だけになっていないか)
  • 書く過程で、判断の理由を聞ける位置にいるか
  • 議事録のほかに、設計・実装・テストにも関わっているか
  • 終わりの見込みや、交代の予定はあるか
  • 書き方を変えて1〜2か月試し、窓口にも伝えたか
  • 更新の区切りで、自社の営業に事実を並べて相談したか

次の契約更新が近いなら、まず上のうち、自分が試していない項目を一つだけ選んでください。議事録を整理して書き直すことは、今日からでも始められます。

それでも半年たっても変わらないなら、そのときは現場を変える相談を、事実を並べて営業に伝えれば十分です。