年末の12月28日、客先は仕事納めで休みに入るのに、自社のカレンダーを見るとその日はまだ平日です。この1日は休みなのか、出勤なのか、それとも給料から引かれるのか。

SESエンジニアとして4社の現場に入ってきましたが、客先の休みと自社の休日がずれる場面は、年末年始・GW・お盆のたびに出てきます。

今回は、休みと給料の扱いが会社によって3つの型に分かれること、私の3社目での実例、確認する書類の順番を、実体験を交えてお伝えします。

この記事で分かること

  • 客先の休みと自社の休日が違うときの扱いは、客先カレンダー型・自社カレンダー型・ハイブリッド型の3つに分かれること
  • 月給制・日給月給・時給制で、休みの日の給料がどう変わるか
  • 3社目の年末年始とGWで、有給を2日・3日使って処理した私の実例
  • 契約書・就業規則・勤務表のどこを、どの順で見るか
目次
  1. 客先の休みと自社の休日が違うとき、給料はどうなるか
  2. 休日を決めているのは、雇用主である自社です
  3. 客先カレンダー型・自社カレンダー型・ハイブリッド型
  4. 3社目の年末年始|客先は12月28日から休み、自社は29日から
  5. 年間カレンダーを並べて、2日のずれに気づきました
  6. 有給で処理しなかった場合の金額も計算しました
  7. この2日で、稼働時間も少し減りました
  8. 月給制・日給月給・時給制で、休みの日の給料はどう変わるか
  9. 3つの給与形態の定義
  10. 休みの日の扱いは、型と給与形態の掛け合わせで決まります
  11. 「休ませる」のが自社の判断なら、休業手当の話になります
  12. GW・お盆の場合|長い連休ほどずれる日数が増えます
  13. GWは3日、お盆は2日のずれがありました
  14. 自社の年間休日は、客先に合わせたものより少ないことがあります
  15. 契約書・就業規則・勤務表のどこを見るか
  16. まとめ

客先の休みと自社の休日が違うとき、給料はどうなるか

結論から先に書きます。そのうえで、休日を決めているのが誰なのか、3つの型の違いを順に見ていきます。

結論給料の扱いは、客先ではなく自社の就業規則と賃金規程で決まります。客先が休みでも、自社が「所定労働日」としていれば、休みにするには有給などの手続きが要ることがあります。

休日を決めているのは、雇用主である自社です

客先が休みでも、私の雇用主は自社です。休日をいつにするかは、自社の就業規則や雇用契約で決まります。

労働基準法35条は、使用者に対して、毎週少なくとも1回、または4週間を通じて4日以上の休日を与えることを求めています(出典: 労働基準法第35条の解説|栃木労働局)。この下限を満たしていれば、休日を何曜日・何日にするかは、会社が就業規則で定められます。

つまり、客先のカレンダーに合わせるのも、合わせないのも、自社の就業規則しだいです。

客先カレンダー型・自社カレンダー型・ハイブリッド型

休みのずれの扱いは、私が見てきた範囲では3つの型に整理できます。型の名前は、この記事の説明用に私がつけたもので、法律や業界の用語ではありません。

型休日を決める基準客先が休みで自社が稼働日の日客先が稼働で自社が休みの日
客先カレンダー型常駐先の稼働カレンダー休日。給料は満額所定労働日。出勤が原則
自社カレンダー型自社の年間カレンダー所定労働日。休むには有給などの手続きが要る休日。出勤すれば休日出勤
ハイブリッド型自社カレンダーが基本、年末年始などだけ客先に合わせる会社が指定した日だけ休日、それ以外は所定労働日自社型と同じ

私の自社は、3社目も今の4社目も、自社カレンダー型でした。土日祝と年末年始(12月29日〜1月3日)が休みで、客先常駐だからといって客先に合わせる定めは、就業規則に見当たりません。

客先カレンダー型

  • 客先が休めば自社も休日
  • 休日の数は客先で変わる
  • 客先が稼働日なら出勤が原則

自社カレンダー型(私の自社)

  • 客先が休んでも自社が稼働日なら所定労働日
  • 休むには有給などの手続きが要る
  • 客先が稼働でも自社が休日なら休日出勤
どちらのカレンダーを基準にするかで、同じ日の扱いが逆になります。

3社目の年末年始|客先は12月28日から休み、自社は29日から

ここからは、自社カレンダー型の会社で実際に起きたことを書きます。2023年12月、3社目に入って9か月目の年末です。

年間カレンダーを並べて、2日のずれに気づきました

3社目は二次請けの現場で、リモートは週1〜2日、VPNで自宅から接続して作業できました。客先から「年末年始休業のお知らせ」が来たのは12月11日で、休業は12月28日(木)から1月4日(木)までと書かれていました。

自社の休みは12月29日(金)から1月3日(水)までです。並べると、12月28日と1月4日の2日が、客先は休みなのに自社は稼働日でした。

リモートができるからといって、客先の休業日に仕事を進めてよいことにはなりません。この2日をどう扱うのか、自社の営業に聞きました。

私

客先の年末年始休業が12月28日から1月4日までです。自社の休みとずれる12月28日と1月4日は、どう処理すればよいですか。

自社の営業

その2日は自社の所定労働日なので、休むなら有給の申請になります。会社として指定した休業にはしていません。

私

客先が休みなら、自社も休みになると思い込んでいました。

出社して社内で自習する選択肢もあると言われましたが、私は有給を2日申請しました。給料は通常どおり支給され、有給の残りが2日減っています。

有給で処理しなかった場合の金額も計算しました

もし有給にせず、欠勤の扱いになっていたらいくらだったのか。賃金規程の式(基本給÷月平均所定労働日数21日)に当てはめて、手元で試算しました。欠勤控除の式そのものは、別の記事に詳しく書いています。

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1日あたりの控除12,038円基本給252,800円÷21日
2日分24,076円欠勤にした場合の試算
有給で処理した場合の控除0円有給残が2日減る

私の自社の賃金規程を当てはめた試算です。当時の明細の再現ではありません。

差は24,076円ですが、有給で処理した場合も、休みの日に使う有給が減るという別のコストが残ります。有給が取りにくい理由は、別の記事にまとめました。

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この2日で、稼働時間も少し減りました

精算幅の下限は、営業に聞いて返ってきた140時間しか分かりません。12月は19日稼働に残業6時間30分で、158時間30分でした。

1月は、1日(祝)、2日・3日(自社の休み)、4日(客先休業)、8日(成人の日)が抜けて、18日稼働の144時間に残業5時間15分を足した149時間15分です。

下限の140時間まで、9時間15分しか余裕がありません。客先の休みと自社の休日が重なる月は、稼働が思った以上に少なくなります。休みが多い月ほど下限に近づく、というのが私の実感です。

月給制・日給月給・時給制で、休みの日の給料はどう変わるか

給料の払い方が違うと、同じ「客先が休みの日」でも、影響の出方が変わります。ここでは、3つの払い方の違いを整理します。

3つの給与形態の定義

用語の意味は会社によって揺れるので、この記事では次のように使います。自社の賃金規程でどれに当たるかは、規程を見て確認してください。

  • 月給制:月額が決まっていて、欠勤しても引かない、または規程で定めた範囲でしか引かない
  • 日給月給:月額が決まっていて、欠勤した日数分を日割りで引く(私の自社はこれに近い形です)
  • 時給制:働いた時間に時給を掛けて支払う

休みの日の扱いは、型と給与形態の掛け合わせで決まります

客先が休みで自社が稼働日の日について、型と給与形態を掛け合わせて整理しました。

客先カレンダー型自社カレンダー型ハイブリッド型
月給制休日扱いで満額有給なら満額。欠勤扱いで引くかは規程しだい会社指定の日は満額。それ以外は自社型と同じ
日給月給休日扱いで引かれない有給なら引かれない。欠勤扱いなら日割りで控除(私の自社は12,038円/日)指定日は引かれない。それ以外は自社型と同じ
時給制休日扱いなので、その日の時給は発生しないのが一般的有給なら所定時間分が出る。有給にしなければ支払い対象かどうかは規程しだい指定日は発生しない。それ以外は自社型と同じ

私の自社は、月額が決まっていて欠勤を日割りで引く日給月給に近い形です。時給制の列は一般的な整理で、自分で確かめた経験ではありません。

この表の前提

給料の払い方と、客先が休みの日の扱いは、就業規則と賃金規程の書き方で変わります。欠勤した日の賃金を払うかどうかの一般的な扱いは、官公庁の資料で確認できていないので、断定は避けて「規程しだい」と書きました。個別のケースは、自社の規程か労働基準監督署に確認してください。

「休ませる」のが自社の判断なら、休業手当の話になります

自社カレンダー型で、会社が「客先が休みだから、この日は休んでください」と指示して休ませた場合は、話が変わります。

労働基準法26条は、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、平均賃金の6割以上の手当を払うよう定めています(出典: 労働基準法第26条の解説|栃木労働局)。

客先の休業が「使用者の責に帰すべき事由」にあたるかどうかは、私には判断できません。あたるなら6割以上が払われ、あたらなければ有給か欠勤かの話になります。待機中の休業手当の計算は、別の記事に書きました。

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GW・お盆の場合|長い連休ほどずれる日数が増えます

年末年始は、客先と自社で1日か2日のずれで済みました。GWとお盆は、客先が長く休むぶん、ずれが大きくなります。

GWは3日、お盆は2日のずれがありました

2024年のGWは、客先が4月27日(土)から5月6日(月)まで10連休でした。自社の休みは土日祝だけなので、4月30日、5月1日、5月2日の3日が自社の稼働日になります。

今回は年末の失敗を踏まえて、4月の初めに営業へチャットを送り、3日分の有給を先に申請しました。年間の休日カレンダーを、客先の連休が分かった時点で自社のものと並べるようにしたのは、このときからです。

お盆は、現在の4社目での話です。2026年は客先が8月13日(木)から16日(日)までの休業で、13日と14日の2日が自社の稼働日でした。

4社目は最近ほぼ在宅で働いていますが、現場によっては、休業中に客先の開発環境が止まることがあります。この2日も、事前に有給を申請して休みました。

年末年始(2023年)2日12月28日・1月4日
GW(2024年)3日4月30日・5月1日・2日
お盆(2026年)2日8月13日・14日

客先が休みで自社が稼働日だった日数。私が覚えている範囲で、年末年始とGWは3社目、お盆は4社目の分です。

自社の年間休日は、客先に合わせたものより少ないことがあります

厚生労働省の令和7年就労条件総合調査では、令和6年の年間休日総数は、1企業平均で112.4日、労働者1人平均で116.6日でした(出典: 令和7年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省)。

2024年の私の自社カレンダーを数えると、土日104日、平日の祝日と振替14日、年末年始の平日4日で、122日です。統計の平均より長いのは確かです。

ただ、客先の連休が自社の休日より長ければ、そのぶん有給を使うことになります。客先常駐で「休みが多い」と感じても、有給で埋めているなら、実質の休みは自社カレンダーの122日より増えていません。

私の場合

3社目の2年半で、客先の休業のために私が有給で処理したのは、覚えている範囲で年末年始の2日とGWの3日です。有給を使い切れた年がなかった原因の一部は、これだったと今は思います。

契約書・就業規則・勤務表のどこを見るか

休みと給料の扱いは、1つの書類では決まりません。私が見る順番を、4つの書類に分けて書きます。

  1. 雇用契約書・労働条件通知書:所定労働日と休日を読む休日の欄に「会社カレンダーによる」と書かれているのか、「客先の稼働カレンダーによる」と書かれているのかを見ます。型の判別は、ここが一番早いです。
  2. 就業規則:休日の条と、客先常駐者の扱いを読む就業規則には、休日・休暇に関する事項と、賃金の決定・計算・支払いの方法が必ず記載される決まりになっています([出典: 就業規則に記載する事項|確かめよう労働条件](https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/syuugyoukisoku/q4.html))。「客先の都合で就労できない日の取扱い」といった条文があれば、そこが答えです。
  3. 賃金規程:欠勤控除と休業の条を読む休みの日に払われるのか引かれるのか、休業のときの手当はどうなるのかは、賃金規程に書かれています。私の自社はA4で24ページあり、欠勤控除の式もここにありました。
  4. 勤務表(勤怠システムのカレンダー):年間の出勤日を並べる自社の年間カレンダーに、客先の休業日を書き込みます。ずれる日が、自分で処理が必要な日です。

規程を読んでも書かれていないときは、営業に確認します。聞くことは、次の3つに絞っています。

営業に聞くこと

  • 客先が休みで自社が稼働日の日は、有給・欠勤・休業のどれで処理されるか
  • それは就業規則のどの条に書かれているか(口頭だけでなく、条文を教えてもらえるか)
  • 有給の事前申請は、いつまでに誰へ出せばよいか

休日出勤をした場合の割増や、振替休日と代休の違いは、別の記事に書きました。客先が稼働で自社が休みの日は、そちらの記事の話になります。

関連記事SESの休日出勤は断れる?割増賃金・代休・振替休日と客先指示の扱いSESの休日出勤は断れるのか。命令を出せるのは客先ではなく雇用主の自社です。データ移行の本番切り替えで連休の出勤を経験した3社目…

まとめ

客先の休みと自社の休日が違うとき、給料を決めるのは客先ではなく自社の就業規則と賃金規程です。私の自社は自社カレンダー型で、客先が休みでも自社が稼働日なら、有給で休む処理が必要でした。

年末年始・GW・お盆の前に確かめること

  • 自社の型(客先・自社・ハイブリッド)を、雇用契約書と就業規則で確かめたか
  • 客先の休業日を、自社の年間カレンダーに並べたか
  • ずれる日が、有給・欠勤・休業のどれで処理されるかを、営業に聞いたか
  • 有給の申請期限と、月の稼働が精算幅の下限に近づかないかを確かめたか

私の反省は、最初の年末に営業へ聞くのが、客先から連絡が来た12月11日になっていたことです。年間カレンダーが出た4月に並べていれば、24,076円の話も、有給の残が2日減る話も、慌てずに済みました。

法的な判断が必要な場合は、労働基準監督署や総合労働相談コーナーに相談する手があります。まずは雇用契約書の休日の欄と、就業規則の休日の条を開くところから、確認してみてください。